金城クリニック 内科・小児科・消化器科・眼科 内科・小児科・消化器科・眼科
金城クリニック / 内科・小児科・消化器科・眼科・金城コンタクト 名古屋市北区金城
医院紹介
医院設備
院長紹介
副院長紹介
金城コンタクト・コンタクトレンズ
アクセス
リンク
QアンドA
病気・診療・検査のお話
 
便秘について
・ 便秘はどうして起こるの?

  あなたは毎日すっきり排便してますか?たとえ2〜3日に1回でも、規則的にスムーズに排便があり、お腹がはったりしなければ便秘ではありません。最近は食生活や生活習慣の乱れから、便秘になる方が増えています。さてどうして便秘になるのでしょう?

(1)便意を逃してしまう。

 私たちの大腸は、朝の目覚めと同時に活動を始めます。さらに朝食をとることによって、胃が膨張し、大腸に便を直腸へ送りだすよう信号が送られます(胃・大腸反射)。直腸に送りだされた便は、直腸の壁を刺激して脳に早く肛門を広げて外に出せと信号を送ります(直腸・肛門反射)。これが便意です。しかし忙しい現代人は、朝食もそこそこに通勤・通学へ飛び出していきます。途中で便意を感じても、会社につくまで我慢と思っていると、そのころには便意は消えています。いったんチャンスを逃すと、なかなか次の便意はやってきません。またこうしたことをくり返しているよ、だんだん便意そのものを感じなくなってしまいます。

(2)食物繊維の不足

 食物繊維とは食べ物に含まれている、消化されない部分のことです。この食物繊維が便の骨組みになって、水分や発がん物質、老廃物を吸収して便が形作られます。つまり食物繊維が足りないと十分な量の便ができず、直腸に送り込まれても直腸の壁を刺激する力が弱くて便意がおきにくくなります。食物繊維の豊富な野菜類を中心の食事から、欧米型の肉類中心の食生活に変化しているのが原因です。

(3)水分の不足

 便の主成分は水分だということをご存知でしたか?普通の便の70〜80%は水分で、残りは食物繊維や腸内細菌、老廃物などです。水分が少ないと便は固くなって、ボリュームが小さくなります。ボリュームが小さくなると腸を刺激する力は弱くなり、固い便を無理に出そうとすると肛門が切れたりして排便が苦痛になります。しかし水分だけをどんどん飲んでも骨組みとなる食物繊維がなければ、ちょうど良い大きさややわらかさの便ができません。つまり、食物繊維あっての水分なのです。

(4)精神的原因

 大腸の動きは自律神経によってコントロールされていて、自分の意志で腸を動かすことはできません。自律神経は感情や行動と密接に関係しているので、生活環境が変わったり、ストレスを感じたりすると、正常な大腸の運動のリズムが乱されて便秘や下痢を起こしやすくなります。(過敏性腸症候群の項参照)

・ 便秘の種類

 便秘には突然起こる急性のものと、徐々に起こる慢性のものがあります。

急性の便秘:

 (1)一過性単純性便秘:旅行に行った時など急に環境が変わった時などにおこる一過性の便秘です。原因が取り除かれれば治ります。

 (2)症候性便秘(器質性便秘):腸閉塞など腸に病気が起こって生じる便秘です。通常強い腹痛や吐き気を伴い早急な治療が必要です。

慢性の便秘:

 腸のはたらきが低下したために起こる常習性便秘(機能性便秘)と、腸の病気によっておこる症候性便秘(器質性便秘)があります。

 1.常習性便秘

 (1)結腸性便秘(弛緩性便秘):腸の蠕動運動が弱くて、便を押し出す力が十分でないために起こる便秘です。高齢の方に多い便秘です。

  (2)直腸性便秘:直腸の神経が鈍くなって、便意を感じなくなるために起こる便秘です。便意を我慢する結果起こります。

  (3)けいれん性便秘:腸の蠕動運動が強すぎて、うまく便を運ぶことができないため起こります。ストレスが原因の過敏性腸症候群に見られるタイプです。うさぎのふんのような小さくてころころした便がでます。

2.症候性便秘

  大腸がんなど、腸に便の通過をさまたげる病気ができた時におこります。今まで順調に排便していたのに急に便が出にくくなったり、便秘と下痢をくり返す様になったり、便に血液が混ざったりしている場合は要注意です。早めに医療機関で検査を受けて下さい。

便秘の治療

腸に病気がある症候性便秘以外は、まず便秘の原因となっている生活習慣や食生活を改善することが第一です。つまり

1. 朝は余裕を持って朝食をとり、朝食後はトイレに行く習慣をつける。
2. 食物繊維を十分とる。(一日30gが目標)生野菜よりは煮野菜の方が良い。
3. 水や牛乳で水分補給を忘れずに。とくに朝起きがけに冷たい水を飲むと大腸の活動が刺激される。
4. 適度の運動や体操でからだを動かす。お腹のマッサージも効果的。

それでもどうしても便が出ない時は、お薬の力を借りましょう。下剤の種類には、下記の物があります。

1. 大腸刺激性下剤:大腸に刺激を与えて蠕動運動を起こさせる。
2. 浸潤性下剤:便に水分を浸透させ、便をやわらかくする。
3. 膨張性下剤:水分を吸収して便をやわらかくし、量を増やす。
4. 塩類下剤:腸粘膜から水分を分泌させるとともに、蠕動運動を促す。

それぞれの症状に合った薬を組み合わせて使います。
Copyright (C) 2005 KINJO CLINIC. All Rights Reserved.